ご挨拶

拝啓

 皆様におかれましては日々ご健勝のこととお喜び申し上げます。
第54回大会につきましては、当初宮城県仙台市で令和2年(2020年)8月29日(土)に開催する予定でありましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックという予期せぬ状況が発生したため、やむなく延期の判断とせざるを得ませんでした。その後学会や研究会をめぐる状況は変化し、新たにweb開催という形式で一般的に行われるようになりました。COVID-19感染は引き続き予断を許さない状況が続いており、変異株の感染拡大とともに令和3年(2021年)4月には3度目の緊急事態宣言が東京、関西圏をはじめとする全国各地に発令され、仙台市に於きましても一時的にまん延防止等重点措置が発令されておりました。
本研究会におきましては、昭和63年(1988年)11月に第1回研究会が催されてから、東北での初の開催となること、また、ハンズオンをはじめとする現地開催企画が大変充実していること、さらに、COVID-19パンデミックの終焉を心から願う気持ちもあることより、令和3年(2021年)9月4日(土)に、仙台市での現地開催とweb開催のハイブリッド開催で行く方向で考えておりましたが、COVID-19感染が予断を許さない状況であることより、最終的に全面web開催とさせていただきました。
 本年のテーマは、『東北発、デバイス治療リノベーション2021』とさせていただきました。本年2021年、東北は2011年の東日本大震災発生からちょうど10年の節目の年を迎えました。大震災からの復興の手ごたえを感じながらも、いまだ十分な復興がなされたとは言えない部分もあり、引き続き力強い意志を持ちながら復興に向けて努力しております。復興というものは、これまでに損害を受けてしまったものをそのまま再生させるのではなく、「改新」して全く新しいものを生み出すという気概をもってなされるものと思っております。また、COVID-19パンデミックとともに生活様式も「改新」を余儀なくされる状況となっております。そのような中で、デバイス治療に関しても、これまでの様々な知見を基にしながら、「改新」して新たな展開をもたらすものをここ東北の地から発信出来たらこの上ないことと考えております。
現在COVID-19ワクチン接種が医療従事者および高齢者に対して施行されておりますが、国民全員の接種が完了するまでに相当の時間を要することが予想されております。今後の感染に関して先が読めない状況であることを鑑みて、今回の本研究会は全面web開催となりましたが、ハンズオンをはじめとするこれまでの本研究会の良さをweb開催でも生かせるような工夫をしていき、十分に内容を充実させて皆様にご満足いただけるような実りある研究会となるよう鋭意努力する所存でおります。
 皆様におかれましては、残暑厳しい折ではございますが、我々とともにデバイス治療の新たな礎を築くべく、実りある研究会となることを祈念いたしまして、ここにご挨拶とさせていただきます。

敬具

第54回ペーシング治療研究会 当番世話人
弘前大学大学院医学研究科
 循環器腎臓内科学講座  佐々木 真吾
福島県立医科大学 会津医療センター
 循環器内科  菅井 義尚
第54回ペーシング治療研究会 事務局長
東北医科薬科大学病院
 臨床工学部  鈴木 雅和